
祖先犬は、スピッツ族の他の犬種と同じサモエド(アイスランドやラップランドのソリ犬)です。
原産地は、バルト海南岸の、3つの川に囲まれた低地であるポモージェ地方。
ドイツ語ではポンメルン地方、英語ではポメラニア地方と呼ばれるこの地方は、現在は大部分がポーランドに、一部がドイツに属するが、ここではさまざまなタイプのスピッツ族の犬種が飼われていました。
18世紀ごろ、そのうちでやや小型のものが、何らかの経路でイギリスに持ち込まれ、原産地の英語名に由来する「ポメラニアン」の名で愛好されるようになりました。
後に19世紀の中ごろから、さらに小型化されたタイプがイギリス国内で流行し、これが固定されたのが、現在のポメラニアンです。ドイツ原産のスピッツ族としては、最も小型の犬種になります。
流行犬種となったきっかけは、愛犬家として知られるビクトリア女王が熱心に繁殖させたことです。
女王は1891年、ロンドンで開催された第1回クラフト・ショー(現在はイギリス・ケネル・クラブの本部展となっているドッグ・ショー)に、数頭のポメラニアンを出陳しました。
女王のポメラニアンは、いずれもクラス1席を獲得したが、女王はミス・ハミルトンというブリーダーに敗れてチャンピオンの座を逸し、たいへん残念がったと伝えられています。
しかし、これを契機としてこのイヌの知名度は一挙に上がり、また犬質も大いに向上したため、世界的な人気犬種に
なりました。
特徴は